【八幡尾根~藪と岩の殿堂~】8/17 [バリエーション]
今回はたっぷり!と増富ラジウム温泉で静養してきた ・・・
しかし、その前に「やらねばならない!?」尾根がある。
「ゆるり山旅」のつもり?が、逆に辛辣なモノになってしまった。
荒々しく著名な百名山の直ぐ近くまで突き上げるこの尾根には勿論、登山道は ・・・ 無い。
トラックを見て頂ければお分かりの通り、直ぐ近くの百名山にも立ち寄って ・・・ いない。
満足のゆく、ケダモノ山行が出来た証拠だ。
剣と言えば、雪と岩の殿堂。
そして、八幡尾根 ・・・ ここは云わば、藪と岩の殿堂である。
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AM06:30 スタート
AM11:10 稜線着発
PM01:11 瑞垣山荘PA着
死闘タイム:6時間41分
歩行距離:13.462km
累積標高差: +1684m -1699m
お盆直後の週末とあって何処も混雑しているが、以外な穴場を見つけるのが得意なのら人。
天候も「雷予報」だし、たっぷりと夏休みの静養 ・・・ の筈であったが、思わぬ?死闘を繰り広げてしまった。 ^^;
先ずは、ダート道途中から「チョキ」(山の名前ね)への道を進む。
昨年の山と高原地図には「チョキ」迄の道程も無く、所謂バリエーションルートであったが今年の地図には「破線」が「チョキ」迄は掲載されていた。
実際歩いた感想であるが、目印もあるが豊富では無く「バリエーションに近い破線」と思われる。
「チョキ」という山名に興味津々で来ても、展望等含めてあまりお勧め出来るルートでは無い。
そして、「チョキ」山頂へ ・・・
「グー!」
勝った! (爆)
え?! ・・・ まさか、こんな下らない事をやるために? ワザワザ登って ・・・
まさかぁ! そんな事は無いですよ・・・。 (実は半分は合ってたりして(爆))
チョキに勝ち?気分を良くして、ココからまさにバリエーションロードへ突入。
「チョキ」までのポイントです。
チョキから稜線方向。 金峰山は木に隠れて見えません。
チョキ北方から東へ向う鞍部の道。 チョキ北方には大きな露岩が立ち塞がりますので、それを避ける様に東へ向えば正解ルートです。 八幡尾根は県境のため県境標識が沢山あり、その他ピンクテープなどの目印がそれなりにありまして、一見簡単そう?ですが、実は激藪突入時、また危険な岩場等では全くその存在が皆無となります。 (危険な所は自分で解決しなさい! って事なんですね。(苦笑) でも、結構笑えます。)
そして、東へ進んで行くと ・・・
コメツガの若木の藪と、石楠花の藪、そしてその合体藪、の三種類が奥秩父ではありますが、後者二つの石楠花を含んだ藪こそ!が最悪です。 石楠花の木 ・・・ 細くても硬い!んです。 突入しても硬すぎて、手で左右に分けていても途中で動かなくなるんです。 固まってしまう ・・・ と言うのが表現として正しいのでしょうか。
しかし、ここで力技を使ってはいけません。 単に消耗するだけです。 ここは生まれたばかりの赤ちゃんの如く、「ハイハイ」(よつんば)で進んで行くと、意外と潅木の隙間を狙って進めます。
ケダモノは生き残るためならば、「赤ちゃん」 にまで退化?!してしまいます。
普通の歩行と「ハイハイ」を等分に進めて行くと、大きな露岩が立ち塞がります。 これは右から巻きました。
八幡山山頂は手前に2つ大きな露岩がありますが、左に巻きました。 山頂自体は展望はありません。 と、いうよりこの時点で、既にガスガスで「ゴロゴロ」。 雷様がその出番を「今か、今か!」と待ち望んでいる状態です。
と、 ・・・ 水晶畑が現われました! 白いのが全て水晶です。
自分が歩いた八幡尾根の東側に金峰山に直接突き上げる登山道があります。 その途中に「水晶峠」なるものがあります。 そこから地図上八幡尾根に向って尾根筋に進めて眺めた所辺りに「水晶畑」がありますよ。 自分は小さいのを3つ拾いました。大きいのは重いので。 ^^;
上が参考図です。
山ノ神がありました。
しかし ・・・ この先へどうしても進めません。 左右どちらへ行っても「激藪」が待ち受けています。 左右方向へチョロチョロした結果、・・・ どうせなら「ど真ん中!」の激藪へ突撃 ・・・ 突破致しました。
雷「ゴロゴロ」の頻度が高くなり既にガスで展望もゼロの中、歩を早めに進めます。 カミナリ!は恐いです。
それも最悪な事に、稜線TOPに突き上げようとしています。 ヤバイです。
稜線方向はガスで見えませんが、登っている近辺の植生とGPSのおかげで、自分の位置ははっきりしています。
この時点でGPS上に金峰稜線が現われています。 もう、あと少し ・・・。
ガスが晴れて、この八幡尾根の位置から ・・・ が、素晴らしいですね。
この位置から!が良いのです。 (ケダモノポジション?) ^^;
写真上左のピークが八幡尾根ピークとなりますが、道らしき部分は見えませんよね。
最初から最後まで、「道」なんてモノは無いんです。
この辺りは、北アルプスバリエーションルートにも似た「ロック&ロック」の状態で歩いていて最高に気持ち良かったのですが、この後直ぐにまた「藪地獄」へ ・・・。
登ってきた、八幡尾根方面を振り返る。 左ピークが2333mピーク。
そしてついに!稜線へ。 死闘4時間40分でした。 ヘロヘロ。
ん? なんでエアーサロンパス?
いやぁ~ね、稜線に出てとうとう足が痙攣を始めてストレッチしていたんですよ。 そこに登山者の金峰方向から来たオジサンが通りかかり、「大丈夫ですかぁ?」と聞かれたので、「えぇ、痙攣しているだけなんで大丈夫です。」と爽やかな?笑顔でリターンしたんですね。 そしたら、オジサンはスプレーあげるから!と言いザックから、 「エアーサロンパス(フェルビナク(高級品))」の新品を一個取り出しのら人に差し出した。 新品なので申し訳なく新品独特のフィルムを破り、痙攣部分にスプレーし、お返ししようとしたら ・・・
「たっぷり使用してください。 差し上げますから!」
「いやいや ・・・ そんな訳にも、いきませんから!」 (これ1本1000円以上するし・・・)
と、お返ししようとするも、笑顔で押し切られて、結局頂いてしまった。
多分ね ・・・ 首に巻いていた白いタオルが激しい藪漕ぎのおかげで「土色」になっていたのが理由かな、と思います。
山の汚い浮浪者!? に見えてしまったんだと思います。 (爆)
エアーサロンパスのオジサン。 有難うございました。 栃木の方らしいです。 栃木は親切な人が多い。^^
砂払の頭。
クロラッパタケ。 フランスでは優秀な食菌です。 あとで料理しますね。 ^^
大日岩。
ここらあたりで、とうとう雷雨が物凄い事になってきた。
ピカッ! ドーン! パンパンパン! ゴロゴロ~。 ザンザン振り。
死ぬ死ぬ~! と急ぎ疾り、どうせ汗でずぶ濡れなのでザックカバーだけして、カッパも着ないで駆け下りました。
今回は登山道に出てからも死闘が続きました。
そして ・・・ 山行中獲ったキノコは?
「パプリカのムース」と「クロラッパタケと帆立のタルタル」のホースラディシュソース です
贅沢にイクラちゃんも添えてみました。
ポイント: パプリカのムースは赤ピーマンをミキシングしてホイップした生クリームと「フュメ・ド・ポワソン」と寒天で混ぜて合わせて作ります。 クロラッパタケの入ったタルタルの方はお好みに合わせて作れば良いでしょう。 自分はゼラチンよりも寒天を好みます。(安全食品ですから) フュメ・ド・ポワソン(魚の出汁)の代わりにフォン・ド・ヴォライユ(鳥の出汁)を使っても美味しく頂けると思いますよ。
今回の山行は壮絶な藪漕ぎであったが、それ故に生きて帰ってきて満足度の高い山行だった。
また、人間様の優しさにも触れた貴重な山行であった。 サロンパスのオジサン有難う
そして ・・・ これが大事なんですが ・・・ 自分は決して板前では無く普通のサラリーマンですよ。 ^^;
もう、よ~く分かってきた、のら人さんらしい山行よりも
芸術的なお料理の方がさらにびっくりです。
ほんとにのら人さんの作ですか?(笑)
道があろうがなかろうが、どんなところも
のら人さんにかかれば歩けてしまうということですね。
しかも庭のように、キノコを採りながら。
by nousagi (2012-08-19 21:15)
やはり先日の終了宣言はフェイクでしたか ^^
シャクナゲの藪こぎは、葉が落ちた時期なら枝の上を歩いていくことも出来ますが、この時期は出来ませんね。
それでもハイハイ歩きで行くのですから流石です。
稜線から五丈石の眺めはこのルートを突破したものだけが得られる快感でしょう。
しかしやはり料理の腕前には感心してしまいます。ほんとにプロではないのですか?
by tochimochi (2012-08-19 23:00)
いやいや壮絶ですね。
私も藪漕ぎは決して嫌いではありませんが、仰る通り、シャクナゲの藪漕ぎは辛いものがあります。ノイバラなどとはまた違った意味での手強さがありますね。ハイ松などもそうですが、うまく枝に上に乗れるとそこを通っていくことも出来ますが。
それから水晶畑、これはまた見事です。あの山域ならではのご褒美かも。
クロラッパダケのお料理も素晴らしい。
もしかして名のあるシェフなのではないかと、先日のキノコ料理からずっと思っているところです。
by 伊閣蝶 (2012-08-19 23:13)
もう寝ようと思ったのに。。 (笑) 17日の午後はやはり雨に降られましたか? お疲れ様でした。 同じ日に楽々登山した私は早々と9時過ぎに麓へ戻りました。 相変わらずのケダモノぶりですね。 (笑)
藪漕ぎでも、固い枝をぬっていくのは疲れますね。 本白根で懲りました。
あの五丈岩をみるアングルがいいですね。
もう寝ます。 いい夢が見られるように。 (笑)
by Jetstream777 (2012-08-19 23:56)
こんばんは。
道なき道を突破して登るのはさすがですが・・・
すみません、最後のお写真の目が釘付けです~。
素晴らしい~!前回に続きおいしそうなお料理が・・!
これのお供はキリリと冷えた白ワインがいいですね(^_-)-☆
本当のお職業はシェフですか~のら人さん?
あっ、ひまわりもステキです(*^_^*)
by kuwachan (2012-08-20 00:30)
nousagi 様
>ほんとにのら人さんの作ですか?(笑)
Yes I made. ^^
「庭」が出てきましたね。 確かに「庭」の様な感覚はあるかもしれません。
だって ・・・ ケダモノですから。 藪の中で「えさ(きのこ)」を探す。
藪に潜むのは ・・・ 大抵 ・・・ ケダモノですよね。 ^^;
by のら人 (2012-08-20 19:58)
tochimochi様
>やはり先日の終了宣言はフェイクでしたか ^^
違います! tochimochiさんの強いリクエスト!?の呪縛から逃れられなかった、だけ! です。 (爆)
もう ・・・ 「呪い」 をかけないで下さいね。 ^^
そこで提案です。 自分が中ノ岐沢小淵沢あたりをやったら、tochimochiさんは恋ノ岐から「・・岳」をやってくれますか? ( ̄ー ̄)ニヤリッ
by のら人 (2012-08-20 20:14)
伊閣蝶様
>私も藪漕ぎは決して嫌いではありませんが・・・
流石! 伊閣蝶さんですね。 藪は大自然の本当の姿なんだと思います。
「山」って ・・・ 本来は ・・・ 「藪」 なんですよね。 何故、わざわざ「山」にお金かけて来ているのに、アスファルト道と似た「登山道」を歩きたがるのか、自分にとっては逆に不思議です。 ^^; 水晶は重くなければ「大きいの!」を持ち帰りたかったです。(爆) それと、シェフ? ・・・ 自分はイカサマ・シェフ!ですよ。 あくまで、料理は素人です。 本業では有りません。 ^^
by のら人 (2012-08-20 20:27)
Jetstream777様
>もう寝ようと思ったのに。。
またまた? JETさんの安眠を妨げてしまいましたかぁ! すいません。^^;
17日は、カミナリにやられました。 18日も同じような天候でした。(温泉三昧でしたが・・・(爆))
いい夢? ・・・ 、あぁ! 来週以降の「ケダモノ山行 JET編?」 の夢の事ですね ・・・ きっと ・・・ 。 ( ̄ー ̄)ニヤリッ
by のら人 (2012-08-20 20:42)
kuwachan様
こんばんは。
>すみません、最後のお写真の目が釘付けです~
やはり ・・・、釘付け?ですかぁ・・・。 ( ̄ー ̄)ニヤリッ
それが狙いで? ワザワザ作るのが面倒なレシピをチョイスしているのかも?知れませんよぉ。 でも少し失敗しまして、ホースラディッシュ(西洋わさび)を北海道の友人から送って貰ったのは良いのですが、色をもっと鮮やかな「緑色」にしたかったのです。ホースは白っぽいので、和製ワサビのチョイスが正しかったのでしょう。 ヒマワリ、まだ間に合いますよ、是非!^^
by のら人 (2012-08-20 20:52)
恋ノ岐は8月にやろうと思っていましたが、機を逸してしまいました。
昔、9月に登った時は山頂で寒さに震えながら寝ていました(シュラフカバーのみでした)ので今年はもう無理です。
by tochimochi (2012-08-20 23:22)
tochimochi様
残念です~ 。^^;
確かに、恋ノ岐は2泊コースですからね。
稜線ビバークの9月でシュラフカバーだけ、は寒いでしょうね。
それに濡れているし ・・・。 来年に期待してます! ^^
by のら人 (2012-08-21 20:06)
登山道がない尾根・・・
これはなんとも憧れですよね
そこまで行っていません
ヘロヘロといってもひろたんとはまだ違った
ヘロヘロですよね^^;
藪漕ぎは決して嫌いではありませんが、けど
冷静に考えるとやはり嫌いになりますよね
けど凄いです!!
「パプリカのムース」と「クロラッパタケと帆立のタルタル」のホースラディシュソースですか
美味しそうです
見つめてしまいました^^
by ひろたん (2012-08-23 22:24)
ひろたん様
この尾根は藪が凄いですが、実は岩も結構楽しいです。
岩で緊張するところ、例えば藪突破後、いきなり切れ落ちた岩場に出たり、など大抵藪で苦しんだ後に「お楽しみ?岩場」となったため、その開放感から写真を撮る事を忘れ、結果岩場の写真がほとんどありません。 (苦笑)
やはり、花崗岩の山は素晴らしいですね。 ^^
by のら人 (2012-08-24 06:20)
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 履歴書 (2012-09-07 16:49)
履歴書様
ありがとうございます!
by のら人 (2012-09-09 13:15)
なぜ「チョキ」なのでしょう?
山の先が二つに割れているのですか?(考えすぎ?)
クロラッパタケってキレイですねー!
by みんこ (2012-09-10 09:37)
みんこ様
チョキの名前の由来は良く分からないみたいです。
以前、昔の船の形で「猪?」という形があった云々のHPを読んだ記憶はありましたが。 ラッパ系は黒と紫以外は毒ですからね。注意しましょう。^^
by のら人 (2012-09-10 19:23)