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【中ノ岳~丹後山】8/7~8/8 [山]

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今回は南Aのビバーク沢旅を予定していたが、雷雨注意報どころか竜巻まで怪しい状況だったので予定を変更して天候の安定していそうな越後の山旅に切り替えた。

当初は銀山平から裏三山を予定していたが、これも出遅れにより時間が押す為、十字峡からの周回に変更した。



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この周回ルートには、水場はどちらから周回しても登山口近くにしか無いため、また無人小屋は二軒あるがどちらも天水(涸れる場合もあり)なので煮沸が必要であり、あまり好んで飲みたく無い為全ての水を基本担ぎ上げる事になる。

それもこのくそ暑い真夏にだ! (笑)

初日中ノ岳までは単純標高差1600m以上。
アルプスでは無く低山であるから、強烈な蒸し暑さである。


そして必要な水分を6リットル位。
酒は1リットル位。
TOTAL 20㎏弱の総重量。

重く、暑い。そして急登の連続。ただただ「不快」でしかない。
ダイエットの為の「特訓」と考えなければ成立し得ない山行である。

勿論、今回も小屋に着くまで断食行なのでそれはいつもと変わらない。

最近の気持ちの良い沢旅とは全く「逆」の世界である。^^



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まずはチチタケ。



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デカくて遠い中ノ岳。



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雪田現る。


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ユキザサ。


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これらと、雪田近くにはまだサンカヨウも咲いていた。



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7合目あたりかな?


登山口を出発後ほぼ30分毎に休憩をしていたが、最初の30分でタオルを絞ると汗がボタボタ。
シャツの背中の一部を片手で握りこむと、汗がボトボト滴り落ちる始末。^^;

頂上までで3.5ℓ水分を飲んだが、ケチれば即熱中症を引き起こす状況だ。


で、牛歩で稜線へ。


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中ノ岳方面。


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ヤマハハコと後ろにウツボ群。


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キスゲは所々で群落を作って、今回歩いた稜線上のどこにでも咲いていましたよ。^^



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マツムシソウ。


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イワショウブ。


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で、山頂到着。奥に小屋が見えてます。
6時間かかりました。
CTは8時間50分。
まぁまぁですかね。^^
日帰り装備の軽荷ならば、問題なく日帰り周回出来るルートですが、このルートは天候が良ければ素晴らしい景色と夏ならば花が多いので、無人小屋一泊が良いと思いますよ。^^



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北ノ俣川坂倉沢。


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雄峰 荒沢。
百人の人に何の先入観を与えず!この辺りの山から3座選ばせれば、中ノ岳(標高No.1)と八海山&荒沢岳(危険度No.1&2)は間違いなく入賞するだろう。駒は危うい。(爆)

山に貴賤は、無い。

と、建前を抜かしても良いが、一方向に偏重され過ぎる日本人の本質こそが実は「戦争に駆り立てた原因」と考察している、のら人であった。^^;

若者には、一座でも多くの山にランダムに登って頂き、「俺の百名山」、「私の百名山」をどうか打ち立てて欲しいモノである。多くの若者がそうなった時初めて、欧州列国と比肩可能になる気がする。しかし、それには先ずは教育改革からだな。(笑)



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小屋に着いたら、寝床の準備をしてから、山頂に向けて「乾杯!」 ^^
まだ12時前であった。(爆)
時間的に余裕があったので、丹後小屋まで歩いても良かったが、そちら方面はガスの中。
翌日に賭けて、ガンガン燃料補給(酒)することにした。

酒は沢山持参しているのでダラダラ飲んで、ドロドロの服や靴を乾かしていたら、散々日焼けする羽目になった。(笑)


暫くはのら人の独占小屋が続いていたが、15時過ぎに単独のオジサンが現れた。
オジサンは裏三山ルート。銀山平から荒沢岳経由だった。
因みに、そのルートのCTはこの小屋まで15時間である。

オジサンは12時間掛かって、重い~重い~ヒィーヒィーだ!と言っていた。(笑)

やはり「水」を限界まで持参してきたらしい。

地元魚沼の方で「63歳」だそうだ!(爆)

オジサンは既に百名山を終えていて、今は面白そうなルート(彼から言わせれば今回ルートとか谷川馬蹄とからしい)を探して目標を立てて単独で登っているとの事だった。65歳までは年金が満額貰えないので、出来るだけ日帰りか無人小屋泊みたい。最近済ませた山行は、早月尾根日帰り!等、メジャーなルート取りが多いですね。

まぁ年齢から鑑みると間違いなく、「猛者」ですね。^^


その後小屋で二人で談笑しヘッデン付けて暗くなった18時少し前に突然、男女二人組が現れた。

二人は森林公園の方から入山し八海山、前泊は千本槍小屋から歩いて来たとの事。

ん~~。これも猛者の部類である。^^

結局、ヘタレ一匹(自分)と猛者3人の貸切となり、21時過ぎ位までは談笑は続いたと思われるが何時に寝たかは記憶が、無い!(爆)

夜は満点の星空で天の川も綺麗であった。




さて明けて翌日、



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^^見れば解りますね。
武尊じゃなくて、位置的に白根ですね、形も。(訂正)^^;


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八海。


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駒。



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ご来光は荒沢の左、飯豊の辺りからです。



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平ヶ岳方向に向けて出発!5時過ぎです。




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先ずは鞍部にて、オオサクラソウ。^^
お花の種類も沢山で、花好きな方は小躍りする事でしょう!



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兎岳。


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ミヤマアズマ菊。


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オニシオガマ。


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そしてハクサンコザクラを踏み潰しそうになります! ^^
この時期のハクサンコザクラはアルプスや火打とかでも難しいでしょうね。(終わってる)
豪雪地帯ならでは!ですね。^^



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荒沢の左に守門。



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兎岳から荒沢岳へ続く縦走路。



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大水上山から、平に続く縦走路。では無く、ココは道がありません。藪漕ぎになります。(笑)



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歩いてきた山脈を振り返る。



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これが坂東太郎利根川の最初の一滴となる雪渓ですよ。^^




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トリカブトと背後に少しだけ色変わりしたナナカマド。



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もう、全方位見ながら忙しくも振り返る、歩いて来た稜線。



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イブキトラノオ。



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ボケてますが釣鐘人参。


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ハクサンフウロもこの辺りは群生。


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やっと、丹後小屋。
中ノ岳小屋から、3時間半位です。ここも素晴らしい小屋ですよ。



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丹後小屋から少し進むと標識。
水場方向にはロープあり。踏み跡薄い。
昔は水場、なんでしょう。ココは利根川源流域。
多分、この登山道を整備してるのは新潟県。
勝手に群馬の水を汲みに行ってはならない・・・的な行政間の小競り合いの結果でしょうか?



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この身の丈以上の笹藪を漕げれば、いずれ巻機山に着きます。(爆)



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右奥に苗場辺りの山。


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最後に往路の尾根、ですね。




越後三山、とよく言いますが裏も含め、平ヶ岳も新潟の山です。
そして、未だ一部しか縦走登山道は整備されてませんが、それでもメジャー級以外は人も少なく素晴らしい自然が残っています。
CTはかなり大げさに記載されていると思いますので、思い切って飛び出せばきっと感動すると思います。

何事もビビらずに、一歩!を踏み出しましょう。^^



因みにレポを見ても誰も書いていない様なので、一応書いておきます。帰路登山道から三国川沿いの林道をテクテク30分程歩いてPAまで帰ります。落石多発地帯なのでそれは歩けば分かるし、大した事は無いです。
但しこの時期、7月中旬からお盆過ぎまでかな・・・メジロアブが煩いですよ!(笑)

しかし、下越辺りに比べれば数が少ないので汗で濡れたタオルをグルングルンと振り回し、相当数殺しました。^^


また、二日目はTOTAL歩行時間7時間30でした。
日帰りでも良いですが、1泊2日ですとかなり楽しめる良いルートです。

特に花好きな方は是非、歩いてみましょう。 ^^


(*´Д`)ノ~~☆:.・*.See.:you.:♪




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コメント 14

撮影係

残暑お見舞い申し上げます。
金曜日からお出かけだったんですね。我が隊は日帰りですが一緒です。

高速道路は土日、お盆、連休に混むから、国策として平日に割引して欲しいですよ。宿やお店だって、土日だけ混んで、平日はガラガラなんだから。
相変わらず、右へならえの国なんでね。
今のデタラメな観光振興、間違っていますよ。

水6L運んだんですか?これも私と一緒です。(同行者の分予備3L)
なかなか静かでよさ気なところですね。うちは初心者なんで、そこまで脚力ありませんから、記録を見るだけですが...

越後のお山って湿っていて標高もそんなに高くないから虫多いので、その対策さえしっかりすれば、我が隊も行けるでしょう。脚力さえあれば!の話ですが...


by 撮影係 (2015-08-09 21:50) 

kuwachan

おはようございます。
飲み物だけで7リットル\(◎o◎)/!
お花がいっぱいで見に行きたいですが。
私の場合その重さを背負っていたら辿り着かないですので
のら人さんのレポで見に行ったことにします(笑)
by kuwachan (2015-08-10 07:25) 

のら人

撮影係様
そうですね。
この時期は平日を上手くマタギながら卒のない日程が吉だと思います。^^
越後はくそ暑いだけですから、登山道の難度的には真教寺尾根あたりと同等と思われます。少し涼しくなれば、全然大丈夫ですよ!
紅葉の季節もグー!ですよ。
是非、どうぞ!
by のら人 (2015-08-10 20:14) 

のら人

kuwachan様
こんばんは。
そのぐらい持たないと、逆に死んでしまうんですよ。^^;
人間は1週間食べなくてもピンピンしてますが、3日間水を絶てば直ぐ死にます。とは言え、ココは登山を日頃からやってない人ではちょっと無理ですね。
いずれ、是非! ^^
by のら人 (2015-08-10 20:18) 

Jetstream

越後駒に登った時 中ノ岳を見て行ってみたいと思いました。 十字峡からだったら私でも行けそうですがピストン。 参考になりますが、のら人さんのCTは早くてまったく当てにできません。(笑) 
”一方向に偏重され過ぎる日本人の本質” まったく同感です。 今の世相がダブります。 後で気づいても遅いんですよね。 
深田百名山はいい加減な選定だし文章も好きではありませんが、多くの山を知る機会にはなりますね。 その先に自分の登りたい山が見えてきそうです。 
by Jetstream (2015-08-10 20:58) 

ヴェール

重荷に、1600mの標高差、ハイスピードで修行のようですね。
でも、この山域は展望も花も素晴らしいですね。また、猛者しか行けないところもいいのでしょうね。
6年前の9月初旬に、枝折峠から中ノ岳避難小屋泊で中ノ岳を往復したことがありますが、これが私の今までで一番きつかった山行になっています。
のら人さんが今回歩かれた周回コースも行ってみたいと考えたこともありましたが、もう無理ですね。
by ヴェール (2015-08-11 00:15) 

のら人

Jetstream様
行けます行けますよ~!
是非、十字峡から。^^
但し枝折峠からとは単純標高差がかなり相違しますが、累積なら同じくらいかな?よく計算していませんが・・・。(苦笑)CT通りで行けばかなりスローペースでも大丈夫ですよ。是非。
jetさんは、既に100の後を見据えていますね。(笑)100終了で廃人、頑張って300終了で廃人の方を実は知ってます。^^;
100その後、を凄く楽しみにしてます。^^
by のら人 (2015-08-11 21:14) 

のら人

ヴェール様
いえいえ、^^;全然スローペースで登りましたよ。
暑くて、飲んでも飲んでも、と言うよりあまりに急激に汗をかく為、喉も乾かないんです。故に、喉の渇き以前にガブガブ飲む、を繰り返してます。で、無ければ熱中症の症状が直ぐに現れます。^^
枝折から中ノ岳がありましたか。駒往復ならば日帰り基本ですから、中ノ岳は泊りですよね。少し涼しくなってから紅葉見物ならば大丈夫では?是非!
by のら人 (2015-08-11 21:24) 

tochimochi

この辺りは残雪期のみのルートと思っていましたが、登山道があるんですね。まだまだ未熟者です ^^;
>片手で握りこむと、汗がボトボト
6lの水持参の理由が分かります。私だったら天水目当てにしてしまいそうです。
それにしても平の文字が目に入ると俄然興味が湧いてきますが、ヘタレの私には無理な山域ですね。
のらさん含め、猛者の方々の行動力には脱帽です。
>一方向に偏重され過ぎる日本人の本質
というか先入観なしに聞くと正論に聞こえてしまう、のが問題です。


by tochimochi (2015-08-12 06:22) 

もっち

のら人さん、お疲れ様でした!
その日は私も、山登りではありませんが奥湯沢の温泉に行っていました!

荒沢岳は危険だとは思っていますが、いつか行ってみたいと思っています。

師匠(勝手に呼ばせて頂きますが)の山記録はいつみても

すごいなー!と思いながら拝見しているので、次回も楽しみにしています!


by もっち (2015-08-12 16:02) 

のら人

tochimochi様
数年前から荒沢⇔兎間が開通したのが大きいですね。^^
これにより裏三山ルートが脚光を浴びる事になりました。
天水目当てでも良いのですが、それでも3ℓ以上は担がないとこの時期は無理です。
流石に先輩は「平」に反応しますね。(笑)
確かに、さも偉そうに堂々とホザク事だけが自民党の議員の取り柄(民主党も同じかな?)、否、政治家はそんなもんです。自立した考え方を持ってなければ即OUT!ですね。^^
by のら人 (2015-08-12 20:40) 

のら人

もっち様
久しぶりですね。
登ってますか?^^
奥湯沢?・・・赤湯かな?
群馬にお住まいの方はある意味羨ましいですよ。
良い山、良い沢が沢山あり、基本夏もメジロアブがいない!
これが大きい!(笑)
日本海側の水系だと今は凶悪なメジロアブが沢山いるんです。(川沿い)
秋に向けて様々な山を登ってみましょう!
by のら人 (2015-08-12 20:48) 

伊閣蝶

トータル20kgの重荷は応えますね。
しかし、仰る通り、夏場の縦走に水の担ぎ上げは避けて通れませんから、頑張らざるを得ません。
不謹慎かもしれませんが、以前、水場の乏しい山域の幕営山行をした際、あいにくの雨天に悩まされたものの、雨で水の補給ができて助かったことを思い出しました。
それにしても、「行政間の小競り合いの結果」で、水場への道が整備されていないのではないかというご指摘には苦笑を禁じ得ませんでした。
by 伊閣蝶 (2015-08-17 22:16) 

のら人

伊閣蝶様
重かったです。^^;
それも越後らしい凄い急登で。
雨水も新鮮だとよいのですが・・・。実は二日目も水が少し足りない状況だったので途中根曲り竹の笹の葉にたっぷりと朝露が乗っていて、それを舐めておりました。(笑)甘露!実に美味しかったですよ。水源の水場はこのような穿った見方が当たっていない事を切望したいですね。(苦笑)
by のら人 (2015-08-18 05:48) 

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