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【三伏峠・烏帽子岳植生復元活動】7/7~7/8 [のら仕事]

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茅野からR152を只管南下。

杖突峠を越え次は分杭峠。

数年前までは全国の峠の中でMYランキング1位だった。
静かな静かな素晴らしい峠だった。

しかし、2,3年前から日本一嫌いな峠になってしまった。
パワースポットのせいである。  土日などは酷い!程、人がいる ・・・。

今回は雨の夜に通ったので誰もいなかった。
車内から一瞥くれるだけで良いと思ったが、一応写真を撮った。


そして、分杭峠を越えて大鹿村に入る。
大鹿村はブログ名「峰の松風」の由来である宗良親王の拠点だった所。
鳥倉林道を延々と進み集合場所へと車を走らせた。



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朝6時に集合し通行許可書をダッシュボードに乗せて、来週以降運行する登山バス終着登山口までゲートを開き車で移動。
手早く三伏峠まで登山道を登る。
三伏峠小屋に着き、一服後近くのお花畑へ向う。


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H19年設置の防鹿柵の中。 約5年前に設置。 確実に植物が復活している。
ちなみに柵の外周囲には、ほとんど花は、・・・ 無い。
また、柵の中に肥料やら種やら、一切蒔いていません。
原因が「鹿」である理由を決定付けるための作業だからです。


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今回「柵」を設置する場所に移動。
「むごい」 という言葉しか見つからない旧!お花畑。 

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作業を始める。
降雨の中、気温は7度。  とても寒い、・・・がモチベーションは高い。


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防鹿網。 両端では無く真ん中部分。シルバー色の部分が鹿の体高に合わせて金属で出来た網で、鹿の歯で食いちぎられない様に施されています。


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無事、設置完了しました。
冷え切った体を癒す為、また再度「柵の中のお花畑」へ行きます。

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ハクサンチドリですが、テガタチドリでもニョホウチドリでも、どうでも良いことです。
花が咲いてくれている事だけが救いです。


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初日はこの標識を設置して終了。


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翌日は晴れのち曇り。 正面烏帽子岳へ向けてAM6:30出発。

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前日は悪天で見えなかった塩見。

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最右が聖。

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真ん中奥に間ノ岳。

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富士。 先週は丁度対極反対側から見ていたと思うと感慨深い。

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右奥に乗鞍。左は中央アルプス。

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奥に荒川三山。


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再び塩見。


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烏帽子岳の北斜面へ移動し作業開始。
物凄い鹿の糞の数。 一歩踏み出せば必ず「糞を踏む」状態。 こんな所は大きく「柵」を張れば良いと思うが立地が悪いのと経費が掛かり過ぎるため、今回は小型の鹿柵のみ。

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完成した小型鹿柵。

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烏帽子岳稜線上の花。

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三伏峠防鹿柵に戻ってきた時には昨日は咲いていなかった、カラマツソウが咲いていた。



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烏帽子岳頂上近辺にて。

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右にヒナ。 全部で5匹いた。

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お母さんの尻尾近辺に到達。


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お母さんの背中に乗りました。
こんな光景は初めて見た。 親子雷。





お母さん雷鳥は知っている。


多くの人間達が自分達の縄張りに入り込み、貴重な高山植物を踏みにじっている事を。

人間が悪意無く、ヒメジョン等の種を靴底につけて高山に登り貴重な植生を変えてしまっている事を。

未だに、福島では放射能が漏れ捲くっている事も、知っている。

自分たちの事を「可愛い!可愛い!」と愛玩してくれる現代の日本人の子供達が今後10%を越える消費税に苦しみ、また年金を沢山拠出しても、それに見合う給付を貰えず怨嗟の声が上がる事も知っている。


他人の事はどうでも良い。
先ず、自分がそれらに対し向き合い、微力ながら出来る事をする。
それだけだ。

このままでは50年後、100年後の後世の日本人達から

「昭和・平成時代のご先祖って、最低だよね!」

と言われる事は間違いないだろう。

なんとしても、それだけは避けたい。 避けなければならない。

可能な限り、本来の日本の自然を後世に残したい、引き継ぎたい。


そして、この微笑ましい雷鳥親子の光景をなんとしても後世に残したい、 と思った。



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tochimochi

確か昨年もこのような活動をされてましたね。
南アルプスの眺めとお花畑を見ながら、親子雷をして語らせる日本いや世界の行く末、のら人さんが神に見えてきました ^^
微力でも自分の出来ることをすることが大事ですね。

by tochimochi (2012-07-09 12:47) 

kuwachan

こんにちは。
地道な活動が実ってお花が戻ってきたのは嬉しいことですね。
先日私が行った入笠湿原も鹿の被害から守るために入口が設けられ
ネットが張り巡らされていました。
雷鳥の親子の微笑ましい姿、後世まで残したいですよね。本当に。
政治を司る方々には目先のことにばかりにとらわれずに、もっと大きな視野に立ってもらいたいものです。
私たちもしっかり見極めてそういう人たちを選ばなければいけないませんね。
by kuwachan (2012-07-09 13:01) 

のら人

tochimochi様
確かに昨年も ・・・。
今回は少し?卑怯な切り口にさせて頂きました。雷鳥に語らせる手法を用い雛の可愛らしさと、自らの憤りを相殺させて少しでもマイルド?な文章にしようと努力しましたが、魂胆を読まれていますね。^^;
勿論! 自分は神では無いただのケダモノですが、「何も行動を起こさなければケダモノ以下だよ!」とも言えますよね? ^^ しかし微力でも、また何も出来なくとも「その思い」だけでも良いのでは、と思います。
by のら人 (2012-07-09 19:44) 

のら人

kuwachan様
こんばんは。
入笠でもネットがありましたか。  同じ南アルプス界隈ですしね。最近は北アルプスも鹿が増えてきたそうで防鹿柵の設置を検討し始めたようです。 先ほど静岡県職員の方からのメールで今回我々が見た烏帽子岳頂上での雷鳥の観察記録は初めてだそうです。増えているのだとしたら、これは嬉しいことですね。(鹿は減らないと困るが(苦笑))
政治と経済は構造上の問題があり、憲法改正も国民性の問題があり、結局一部の世界の大富豪と軍事大国の言いなりを選択するしか無いのも悲しいですね。 ^^;
by のら人 (2012-07-09 20:03) 

Jetstream777

毎年、ご苦労様です。 可愛いライチョウもみれて有意義なお出かけだったでしょう。
そういえば鹿の多いところは高山植物が少ないですね。 野生動物の保護も大事でしょうが、鹿は増えているようですね? 人間も含め共生は、言葉のようにたやすくはないでしょう。  
現状を将来を見据えて、何をすべきかを指向されているのら人さんには敬服。 何事も、後世にツケを残すべきではないでしょう。
余裕のある世代はせめて、もっとお金を使い、税も払い、貯金を掃出してください! 景気好転に寄与してください! 私がPMでしたら、累進貯蓄課税と相続税強化という悪政?を実施します。 (笑)
by Jetstream777 (2012-07-09 20:29) 

のら人

Jetstream777様

嘆願書
JET総理殿
是非とも、累進貯蓄課税と相続税(1億円以上)の強化をお願い致します。
せいぜい、相続しても数千万を限界にするべきです。
勿論、それまでは無税。
億単位以上~数千億とかの相続は、ほとんど国が没収するべきです。
何卒宜しくお願いいたします。 (爆)
by のら人 (2012-07-09 21:35) 

みんこ

まったくその通りです。
なんだか現実逃避して過ごしているような気がしていますが、
なんとかしなくてはねっ!
どうしたらいいのでしょう…。
by みんこ (2012-07-10 14:17) 

のら人

みんこ様
皆さん分かっちゃいるけど、どうしたらいいの? だと思うんですよね。おっしゃる通り。 ^^;
現実逃避している訳では無いと思いますよ。 どうしたら良いのか分からないから、今を精一杯生きるしかない、みたいな感じですよね。結局ボランティア的な活動は、自己満足で良いのだと思ってます。 でなければ「やってられない」 です。 ^^;
by のら人 (2012-07-10 20:58) 

ひろたん

お母さんの背中に乗りました。
こんな光景は初めて見た。 親子雷^^
これは見てみたいですね
感激して
涙が出てしまいそうです
これだから山は魅力ですよね

お母さん雷鳥は知っている。
この言葉にまた感激です

by ひろたん (2012-07-10 22:12) 

Jetstream777

再訪。 では早速嘆願書を実施しましょう。 (笑)
最後のSHOTと下から3番目のSHOT、これは素晴らしい写真です。XX新聞の写真コンテストに応募されたら? 冗談ではなく。 しかも南限の下での発見です。!(^^)! もったいないよ~
by Jetstream777 (2012-07-10 22:36) 

伊閣蝶

全く一言もありません。
鹿たちも、彼らは彼らなりの生きるすべを全うするためにそうした行動に出ているのでしょう。
食べられる植物も、それが自然の摂理であるのなら、また、やむを得ないと思うのでしょうか。
人間が不用意に、本来聖域であったはずの場所に踏み込むことにより、バランスが崩れてしまったとするのであれば、その罪の深さに立ち止まらざるを得ない気持にさせられます。
のら人さんの、高邁な精神と行動に打たれながら、己の情けない態度に恥じ入るばかりです。

by 伊閣蝶 (2012-07-10 23:08) 

のら人

ひろたん様
親子雷 ・・・ 可愛い過ぎですよね。 ^^
女性の作業員もその場にいたんですよ。
そして、子雷が母雷の背中に乗る瞬間を実際見た時に、男は声までそもそも出しませんせんが、女性なら「キャー可愛い!!」って思わず声を出すじゃないですか。 女性の作業員はグッと堪えて静かにしていましたよ。
流石に、プロ?は違うなぁ~と思いました。 ^^;
by のら人 (2012-07-11 20:32) 

のら人

Jetstream777様
何卒宜しくお願い致します!  総理! (笑)

写真のご評価を総理から賜るとは ・・・ 恐れ多いです。 ^^;
ヒナが凄く素早しっこいんですよ。凄く元気。 だから、みんなして写真撮ってたんですが、この瞬間を撮れた人は少数だと思います。ちなみに南限はもっと南ですよ。 それでは、JET総理大臣賞として、先ずは100万円をのら人にご進呈下さいませ。 (爆)
by のら人 (2012-07-11 20:43) 

のら人

伊閣蝶様
バランスが崩れてしまっているのは、やはりそもそも人間のせいです。
日本人が狼を絶滅させたせいで、鹿の天敵がいなくなってしまったのです。一般の登山者が多少山を踏み歩いた所で、普通は影響ありません。但し、物凄い人数が訪れるところは流石に影響があるため木道等を設置していますよね。鹿に罪は無いんです。いち早く鹿を適正個体数に減らし、その肉を一般的な食肉として食べてあげる事が、今の日本人が出来るベストチョイスだと思います。以前、アラスカ狼を日本の原野に放つ案もありましたが、ボツになりました。 現在は、「もう駄目だ!」・・・みたいな状況では無いので、それ程罪の意識を感じずに前向きに考えて行動すれば良いと思います。 自分はそれ程、鹿問題を深刻には捉えていません。 静岡県の自然保護課の役人の方々が素晴らしい人達ばかりだからです。 近い将来絶対に高山植物は復活すると思います。 まだ大卒後間もない若い職員も好感が持てる熱血漢ばかりです。
同じ「役人」でも政治家を裏で操り自らの権益だけを守ろうとする中央官僚と、直向に自然を愛するために行動する地方のお役人は、全く違う、否「逆」、という事を長くなりましたが、実は言いたかったのです。 ^^;
by のら人 (2012-07-11 21:06) 

名無し

鹿対策に早く狼の導入を! 懸念がある人はこのページを参照 http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/697065/221774?page=3
http://japan-wolf.org/content/faq/
by 名無し (2013-05-26 19:48) 

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