【鶏冠尾根】10/29 [バリエーション]
今回は予定通り、鶏冠尾根へ行った。
天候にも恵まれ素晴らしい景観と「恐怖」?を味わえた山行となった。
あまりの恐怖に直面し、今回も 「ケダモノ」 になってしまった・・・。 ^^;
-----------------------------------------
AM05:57 西沢渓谷PA発
AM09:00 鶏冠山第三岩峰着
AM09:20 鶏冠山第三岩峰発
AM09:38 鶏冠山本峰着発
AM11:24 木賊山着
AM11:37 木賊山発
PM02:35 西沢渓谷PA着
鶏冠山(トサカヤマ)は山梨百名山である。
しかし、昭文社の山地図には登山道は記されて、いない。
色々なレポを読んだが、概ね直近のレポ通りであった。
鶏冠山まで!、であれば決してバリエーションルートでは、無い。
間違いなく!一般登山道です。^^
そうですねぇ~、乾徳山の鎖付き岩場を巻かずにちゃんと登って降りれる方なら、全く持って不安はありません。
ちなみに、大菩薩嶺北方に位置する黒川鶏冠山(クロカワケイカンサン)とは違う山ですよ。^^;
そして今回も断食山行です。 この日は夜19時に初めて食べ物を口にしました。
これが一番危険かも。真似しないで下さいね。(苦笑)
先ずは西沢渓谷の遊歩道に入った途端、明朗な標識がある。(苦笑)
東沢を渡るつり橋上から、朝日を浴びて光る鶏冠山。
カッコいい山ですね! ちなみに鶏冠山最高点は最右に見える鋭鋒の奥になります。
写真中央の凸岩が第二岩峰で鶏冠山の核心ですね。
吊橋を渡れば直ぐに鶏冠山入り口?です。
しかし、進入禁止とあります。^^; ロープは張ってありません。
先行グループが河原にいました。 中高年5人くらい。
レポでは東沢右岸の目印通り行けば渡渉点まで簡単、とありましたのでその通り進みます。
突然、目印が進行方向右(川の流れの方)に現れますので、その先が渡渉点です。
ウロウロと飛び石で渡れる所を探しましたが、どうしても一歩だけは「ジャブン」します。
面倒がらず、サンダルに履き替え渡渉します。 水は意外とヌルかったです。
北アルプス針ノ木谷の水のほうが、圧倒的に冷たかったですね。
左から右の流れが東沢で中央右より奥から手前方向に流れ込む谷が鶏冠谷です。
東沢の渡渉を終えましたが、直ぐには靴に履き替えません。嫌な予感がします。
先日の針ノ木谷での失敗は繰り返しませんよ。^^;
10m程サンダルで進むと・・・・、やはり! また渡渉した方が良い所がありました。 大正解!^^
写真中央奥に、「鶏冠山登山道」の真新しい標識が付いていますね、見えますか?
標識の前で靴に履き替えていると、先ほど追い抜いた5人グループもサンダル渡渉してきました。
素晴らしいブナ林です。この尾根は素晴らしいです。確かな尾根に登っているダイレクト感があります。
熊やカモシカの足跡がありました。そしてウサギがピョンピョン跳ねていました。
道は明瞭過ぎる程、です。^^ ピンクテープと標識が煩い程あります。
もう、看板屋さんを営業出来る?程、の看板の数。(苦笑)
鶏冠山往復ピストンで「道迷い」をする人がいましたら・・・
その人は間違いなく陣馬山でも「道迷い」する筈です。^^;
どうやら、鶏冠山の稜線に乗ったようです。前方(この標識の奥)が第一岩峰かな?
ここから暫く写真左方向に進みます。岩峰の稜線の左側を巻く道です。
巻き道中に稜線方向を見上げる。 この間、多少でも危険な所にはフィクスロープやら倒木にはステップやら、が付いていますので一般登山者でも安心して歩けます。
つい入ってしまいそうになる危険な稜線方向にはロープで、シャットアウト!
ここまで来ると完全に、安全すぎる登山道です。^^;
チンネのコルに着いたようです。 「真っ直ぐ下るな!・・・・・。」 親切ですねぇ。^^
そして暫く歩くと、やっと憧れの稜線デビューです! ^^
富士山。
光る西沢渓谷。
国師ヶ岳。
第二岩峰方向。 素晴らしい岩・岩・岩 です。^^ サイコーですね。 クリックで大きくなります。
一旦、下ります。ここからは急傾斜岩場が多くなりますので、慎重に行きましょう。
登り返し。 やはり・・・ありました、真新しい「鎖」! 今年付けた物でしょうね。
もう、バリエーションでも何でもありません。 勿論、のら人は登りで「鎖」は一回も掴んでいません。アプローチシューズを履いていたので楽勝です。但し、下りでは鎖を掴みますよ。^^(今回下りは別ルートです)
この稜線、花崗岩が尖っています。
距離は短いですが奥穂の「馬の背」と似ていて、とってもスリリングで、ス・テ・キ ♪♪ (爆)
次から次へと現れる「岩峰」 すっごく!楽しいの。 ~少女風~ (ホント、バカですねぇ)
むむっ! ここかぁ!
一箇所難しい所とどのレポを見ても書いてあった岩場だ。皆さん左の立ち木に乗ってクリアしたようであった。足場で滑らないようタオルまで巻いてある。 しかし、今年は「鎖」が付いているから、楽勝ですね。
上部。 こんな感じのチムニーだ。 下から2メートル位は手掛かりが無く、更に被っている。(ハング) これは、フリーでは難しいかな?
しか~し!!
チムニー右側は手掛かりが豊富そうだ。 下方も被って無さそうだ。
「鎖」など、・・・使ってたまるかぁ!! 覚悟を決める。
フリーで、取り付いた・・・
「あれぇ?・・・・、被ってんじゃん」 ^^;
「Ⅲ」と見たが、被っているなら「Ⅳ」かな。^^; しかし、ホールドは豊富なので問題なかった。
但し、ハンドホールドは一回掴んだらグイグイッ!と引っ張って、しっかりしているか確認していますよ。
アルパインでは基本中の基本!です。 ^^
第三岩峰が近づいて参ります。
その前に「ガッツリ!」下らされます。 ^^;
鶏冠山近辺トラック アップ。
1985m第二岩峰頂上から地図上方で、一回少し下へ戻る様な動きをしていますね。
ここが第三岩峰頂上で、山梨百名山の標識がある場所です。
これです。^^
但し!ピークハンターの方はここでお弁当出して食べて引き返してはいけません!
ここは、鶏冠山ピークではないからです。トラック地図にもある通りもっと北に2115m鶏冠山頂上はあります。注意して下さいね。^^
第三岩峰からは更に富士山が良く見えます。右ピークの山は黒金山。
山梨百名山の標柱の上、左ピークが本当の鶏冠山山頂です。
歩いて来た道を少し戻り、更に北へ歩を進めます。
ここからは今迄と違い、少し藪っぽくなります。(石楠花) しかし、それ程でもなく「道」は依然明瞭ですから安心です。 ここまで来たら是非、本当のピークを踏んでくださいね。^^
鶏冠山頂上です。右下に標識が見えますね。左奥に甲武信ヶ岳、正面が木賊山です。
さて、第三岩峰(山梨百名山標柱)までは明らかな実線登山道並み。
第三岩峰から本峰までは、せいぜい「破線」かな程度ですが、本峰から北は全く!変わります。
ここから木賊山まではバリエーションですので良い子は真似をしないで下さいね! ^^
と、云う事で待望?のバリエーションに突入! しま~す。 ^^;
この写真では良く分からないと思いますが、左右絶壁で落ちたらヤバイです。幅は60センチ位かな。
徐々に藪が濃くなって参りますので、知らず知らずこんなリッジが藪に隠れている事がしばしば。(苦笑)
藪に足を捕られて、こんな所で転んでしまったら致命的です。要注意!
多分・・・20回以上だと思います。 こんな倒木だらけ!の突破は。^^;
暫くは道が二股に分かれる様な所では必ず目印がありましたが、じきにそれもなくなり、ルートファインディングせざるを得なくなります。
バリエーション尾根の基本は、「尾根筋を外さない!」 です。
多少傾斜がキツク痩せていそうな尾根に見えても、暫くは藪リッジを選択して登っておりましたが、途中たまには巻き道も良いかな?、と思い巻き道をチョイスしました。^^;
巻き道が少しでも登っていれば正しい巻き道なのですが、その巻き道はずっと水平道で歩を進める毎に右に見える尾根筋から高低差が拡がってきました。
「このままでは、マズイ」 と思った所で唯でさえ藪だらけの曖昧な道さえが、途切れました。
右手尾根筋上方を見上げますと、どの方向に行っても、「まさに真正の超藪」 且つ 「急斜面」 でした。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
と叫び、気合を入れてから「ケモノ」に変化して「藪」に挑もうとした、その時・・・・
「ウォ※※※※※※※※!!!」
と、下方谷側からなんとも言えない獣の咆哮が聞こえ、遠くの藪がガサゴソと動きました。
怖くなんか、ありません!
野獣からのエール!? と捉えました! (ホントかよ)
それ程、自分的には緊迫していた場面だったのです。
熊が出てきたら、逆に襲って喰ってでも生き延びてやろう! と思っていました。 (ホントかよ)
「道」の無い深い山の中で、壮絶な藪漕ぎをしている状態を、一般的には・・・
「遭難」
と呼びます。(爆)
まぁ、「スキモノ」 で 「ワザと!」 入山している今回の様なケースは別ですが・・・。^^;
それでも藪漕ぎ中、辛辣な恐怖が体を走り抜けます。
「このまま果たして、生還出来るのか!?」
しかしこの時多分、自分の顔は 「笑っていた」 と思います。
恐怖が嬉しい!?
変態です。 (爆)
冷や汗流して、凄く怖いのに、何故か、嬉しい・・・。
理屈で自己分析の説明が出来ませんので ハイ 「変態」 で結構でございます。 (苦笑)
2177無名ピークから木賊山へのトラック図アップ。
完全な楽しい?バリエーションルートです。
2177ピークから甲武信ヶ岳と木賊山。 ここが、鶏冠尾根の岩峰では最高峰ですね。
ここから、またまたガッツリ下り再度、巻き加減の道を選択。
「かかってこい!」
の心境です。^^
しかし、今度の巻き道は結構登るので正解道の様でした。 残念。 ^^;
ラスト木賊山まで標高差200m位の所で、見た事も無いシャクナゲの「激藪」が行く手に現れましたが、既に地形図的に木賊山までは緩斜面であったので、藪を避けながら上を目指しました。
着きました! ^^ この標識の裏あたりから這い出て参りました。
結構、藪で転んで多少の打撲はありましたが満身創痍という程ではありません。
休憩して甲武信ヶ岳方面に少し歩き出しましたが、左大腿筋の痺れを感じて引き返しました。
流石に最近キノコ狩りばかりに現を抜かしていたので、激しい藪漕ぎが堪えたようです。^^;
戸渡尾根分岐方面に歩き出します。木賊山頂上を過ぎて暫く歩くと・・・
ここからが正式な鶏冠尾根のルートのようです。道らしきモノがありますが当然ながら藪に埋まっています。
ここの下りは登りよりも、更に難易度が上がりますよ。 絶対に軽い気持ちで入らないで下さい。^^
帰路、戸渡尾根の見晴らしが良い所にて。 ドカーン!と。^^
この時もずっと「ニヤケて」いましたね。
富士山が綺麗に見えて嬉しいのでは無く、ずっと「藪漕ぎ」の事ばかり思い出しながら、「ニヤニヤ」していたと思います。
やはり! 「変態」 ですね。 ^^;
途中、近丸新道と〇ちゃん新道の分岐があります。
〇ちゃんの名前が気に喰わないのですが、鶏冠尾根に近い道なので〇ちゃんを選択。
木々越しに、鶏冠の鋭鋒を眺めながら「幸せ」な下り道でした。♪
最後に前述しましたが、鶏冠山まで、であれば一般登山道です。
そして、あまり踏み荒らされていないため他の奥秩父登山道より植生が素晴らしいです。
紅葉も良く、かなりお勧めです。 ^^
但し、鶏冠山より北方は 「鬼畜ロード」 となります。
お間違えなく! (苦笑)
2011-10-30 08:45
nice!(22)
コメント(10)
トラックバック(0)
のら人さん、やっぱり変。
変態に同感で~す!(笑)
登山口の進入禁止の標識で迷わず引き返しますね。
というより、破線もないようなところに決して行きません。
行けませんですけど。(^_^;)
by nousagi (2011-10-30 15:54)
これは面白そうなルートですね。こういうルートを
歩いていてちょっとルートを外して、「ちょっと」
強引に正しいルートに戻るときの緊張感と興奮が
大好きです(^^)なんか山を歩いているって気が
します。
by ken_trekking (2011-10-30 17:27)
やはり変態に同感です(^^;
昔ならこういうところに入ったかもしれませんが・・・。
それでも景観のきれいな沢に入ってしまっていました。
こういうヤブ山のバリエーションはけだものにならないと、入るのに躊躇してしまいますね。
敬服の限りです。
by tochimochi (2011-10-31 00:00)
nousagi 様
やっぱり・・・変・・・ですかね。 ^^;
鶏冠山だけ行くなら、何も構える事無く・・・・
です。ハイキング軽装で大丈夫ですよ。
今現在は、今年の登山道整備状況と昨年のものが錯綜しているのでは?
来年以降、普通の道指定になれば楽しめる方々が増えますね。
by のら人 (2011-10-31 22:35)
ken_trekking 様
面白そう・・・。有難うございます。^^;
しかし、この尾根が面白いと感じてしまうと・・・
変態!? の危機 ですよ。 (苦笑)
充分ご注意下さいませ。
by のら人 (2011-10-31 22:42)
tochimochi 様
自分で書いておきながら・・・
もしかして否定してくれる人・・・
を、望んでいましたが・・・ やはり・・・変態 ですね。^^;
スキモノ達が、未だ何故か多くいます。
しかし、嬉しい限り!? ですね。 ^^
by のら人 (2011-10-31 22:51)
言葉足らずでしたね。
こういう山行ができるのら人さんがうらやましかったのかもしれません。
道無き道を行く、まさにパイオニアですね。
最後の富士山はそのご褒美でしょう。
でも鎖等がけっこうあるところを見ると、バリエーションとしては名の知れている尾根のようです。
私も探検的山行が好きで、何度か藪山を歩いたことがあります。
もうさすがに歩けませんが。
by tochimochi (2011-11-01 18:43)
tochimochi様
大丈夫ですよ。逆にお気遣い頂き申し訳ありません。^^
「近くて行き易い」と言う事で、山梨の山を色々物色しているのですが調べていくうちに、出てくるわ、出てくるわ。^^;
何が出てくる? 新道の整備、です。 その直近のモノが鶏冠山であり、まだ自分は行ってませんが黒河内岳東尾根等です。更に駒!?に続く凄い尾根の整備中も発見。^^ 山梨県は新道モチベーションが旺盛な様です。山と高原地図が追い付かないだけです。確かに自分は多少の「藪」も好き?なんですが、基本は人が少ない静かな山を求めるので、もし自分と同じ静かな山を求める人がいれば、「どうぞ参考にして下さい」的な意味合いで山行記録を記しているのもあります。
でも「探検」の藪山を踏破した時の達成感は最高ですね。(笑)
by のら人 (2011-11-02 06:25)
まったく異次元の世界です。 山梨の登山道はよく整備されているようですね。 でも、一般道がいいですね。 (笑)
難しいところに自分を追い込んでいくタイプなんですね。 そしてそれを楽しむ・・・ (笑) でも、一般の方は真似しないで!
by Jetstream777 (2011-11-06 01:23)
Jetstream777様
大丈夫ですよ。^^
一般の方は間違いなく、真似しませんから。(苦笑)
毎週の様に山へ足を運んでいる方であれば、そうですねぇ・・・「トムソーヤの冒険」みたいなものですよ。少々の「冒険」です。 ^^ でもJETさんは上級者!なので是非行ってみてください。^^
by のら人 (2011-11-06 18:59)